葉巻の光沢や色調

葉巻の工程には熟成期間が必ずあるわけですが、例えば果物が初々しいグリーンから古くなるにつれて茶色く変色していくのと同様に、葉巻に使用する葉も初期の緑色から茶系色に変化していきます。自然物を熟成発酵させていくので、光沢や色合いも多種多様になります。そのあたりが葉巻の楽しみの一つにもなります。極端な言い方をすると100%同じシガーはないと言えることです。もちろんコイーバシグロIならシグロIの色調、モンテクリストAならAの色調と各工場でカラー指定はされていますのでそのあたりの統一感は当然あります。様々なカラーのシグロIがあるとおかしいですから。

よく耳にするマデュロ(マデューロとの表現もあり)がありますが、色調的には最もダークな部類です。これよりダークになるとオスキュロ(オスキューロとの表現もあり)となります。
コイーバペクノティンがナチュラルカラーに対してコイーバペクノティンマデュロはダークカラーといった感じです。

ところで肝心のテイストですが、マデュロやオスキュロクラスのダークなものは別として、実は色調とテイストが必ずしも比例するわけではありません。なぜなら外側を覆うラッパー部分のカラーであって、味わいを左右する大半の部分は包まれている中身部分だからです。各社ともより美しい色合いや光沢具合のラッパーを使用し見てくれをよくしていますが、テイストは本来各メーカー毎のこだわりや方針がありますから、あくまでも中身のブレンドが重要となります。

しかしながら人が感じるイメージもかなり左右するとも言えます。例えばモンテクリストのホワイトシリーズなどは見た目が大変美しく映えていますので、やはりテイストもそれなりに期待しますし、プレゼント用などの場合も見栄えがよい為、チョイスしやすいなど、色合いもやはり大事なんでしょう。一般的なシガーと、モンテクリスト ホワイトコートを比べられると一目瞭然だと思います。

決算月

我が社は3月ではありませんが、日本の多くの企業は大小に係わらず3月末決算が見受けられます。本日は確かプレミアムフライデーと称される日ですが、実際の業務はさておき、気分として今日15時から退社される方は少ないでしょう。むしろ業務が一定範囲で落ち着いた頃、各部署毎で小宴ならぬ缶ビールで乾杯といった感じではないでしょうか。まあ好きな方はその後に結局繰り出すのでしょうが。私もそうなのでとても偉そうな事は言えません。

形式的には本日はまさに月末な訳ですが、実務的エリアの方々からすれば、むしろ4月に入ってからが、データ集計・整理・精査・報告書作成などといった業務がしばらく続くしんどい月でもあります。
昔は灰皿を机に置き、タバコの山を築きながら当たり前のように仕事をこなしていた頃もありましたが、現在ではありえないでしょう。その流れの過程で吸う時、吸わない時の棲み分けが徐々に構築されていったように思います。

多忙な後の夜長にはロブストサイズの葉巻を吸います。コロナなどと比べてやはりドローがスムースなせいか心身とも実にゆったりできるサイズのシガーです。今宵私は決算月ではありませんが、達成感が溢れている街に便乗してモンテクリスト プラチナロブストを贅沢に楽しみます。

ロブストサイズ

このサイズ(概ねlength 124mm ring 19.84mm)のシガーも非常に幅広く有名です代表的なものでコイーバロブストなどがあります。
長過ぎず、しかし太く、「葉巻」吸っている感は非常に深く香りもしっかり感じられます。

パルタガス セリーD4やオリヴァ V ダブルロブスト、ドミニカンモンテクリストのプラチナロブストなど有名なものは数多く、ロブストサイズゆえのブレンドの深さはそれぞれに特徴があります。

比較的小ぶりな葉巻しか吸ったことがないという方には、時間に余裕がある時に一度1本試されると世界観が変わるでしょう。それほどロブストは深い喫煙感とアロマ感を楽しめます。

コロナ ゴルダ サイズ

コロナ ゴルダはグラン コロナほど長くはないものの、ほぼ変わらぬリングサイズであるため、ビジュアル的にこちらがしっかりした葉巻のようにも見えます。

グラン コロナほどまでに大柄ではないので、各シガーメーカーとも様々なバージョンを保有しています。有名どころではパンチ パンチ パンチ。

ドミニカンシリーズのラ グロリアキュバーナ コロナ ゴルダもナチュラルマデュロそれぞれに特徴があり、ドミニカ産の安定感も評価されつつ、キューバ産に負けず劣らずの一品などとなっています。

グラン コロナ サイズ

そのイメージの通り大型サイズのシガー。ラージサイズといっても様々なタイプがある中、古来よりのスタンダード的な存在感あるサイズ。最も代表的なところではモンテクリストAが有名。長さは20センチをオーバーするロングサイズで見た目の印象はかなり大きいものです。

なかなかこのサイズのシガーを自然に嗜む事は難しいと感じてしまいますが、
本来のキューバシガーとなれば、グランコロナは最初に上がってくるところです。

ただ相当時間の余裕がなければ、火を付けるのは勿体ないでしょう。

葉巻の太さとスタイル

葉巻の太さは一般に「ゲージ」として称されますが、「スモール」「ミディアム」「ラージ」の3つに大きくはカテゴライズされています。どのようなブランドシガーでも、ブランド名の後ろについてくる文言でどのようなサイズものか、大よそですがわかります。

まず基本サイズですが、スモールゲージのサイズは大よそ26~39、ミディアムで約40~45、ラージで約46~52のリングサイズとなっています。

当然にラージサイズが長時間となりますので、シチュエーション的には優美なパーティーや特別な食後にゆっくりといったものが中心になります。

対照的にスモールサイズは長時間楽しむ時間的余裕がないシチュエーションや、デイリーシガーとして活躍します。

ミディアムシガーなどはビーチサイドやヨットの船上などが似合います。やはりそれぞれ特徴があり、シーンに合ったシガーを楽しみたいものです。

冒頭で記載の通りスモールやミディアム、ラージサイズと大きく分かれるのですが、その中でもあだ名的な名称があります。

次回はそのあたりの名称などを見ていきたいと思います。

Valentine

例によってこの時期がやってきました。

キリスト教が多数の米国では、男性が女性に花束を渡すしきたりといいますか、伝統的な流れがあるのですが、日本に上陸してからは企業の上手な戦略によっていつのまにかチョコレートの一大行事に生まれ変わりました。
それにしても友チョコだの感謝チョコだの意味不明なカテゴリーがやたら増え、プレゼントする側がもちろん大変なのでしょうが、頂く側も後々の気遣いといいますか、結構大変なものです。

このわけのわからないカテゴリーチョコのウェイトが増えるのと、年齢が重なっていくのが比例しているように感じてきました。若かりし頃の本命チョコが懐かしく思っている時点で、既に自身の高齢化が始まっていると痛感する今日この頃です。

チョコレートのビジュアルに合わせている訳ではありませんが、この時期はビター感を楽しめるマデュロのシガーをバーボンで楽しみます。

新年

明けましておめでとうございます。

1月はゆっくりと御参りや挨拶回りが街の光景だと思いますが、クリスマスプレゼントの影響などで12月が最も流通混雑する米国の影響を受け、必ずといっていいほど入荷遅れが発生します。

そのような理由で1月には前後まとまった貨物などがどっとやってくるので、年始からバタついているのがシガコネの通例となっています。

例に洩れず大量に到着した貨物を笑い眺めながら、今年もよい年であることを願いました。

Cohiba Miniature

かなり前になりますが、ティン(缶)シガーのラインアップに新たなコイーバを加えようとリサーチしていた際、今一つピンとくるものが見つからずにどうしようかと考えていたところに登場したのが「コイーバ ミニチュア」です。

実はその存在は以前から知っていたのですが、かなりの細さのシガリロサイズで初めから対象外にしていました。
ただ、色々なジャンルの人物などから要望など聞かされているうちに、まあこういうものがあってもいいか、という事になり加えてみる事にしたシガーです。

1本あたり約1gと完全にシガリロ状態ですが、通常のティンシガーと同様、1本毎にセロファンコーティングされ、そのあたりのシガリロとはちょっと違います。一定水準を保つプライドを感じさせる「COHIBA」といったところでしょうか。

味わいは、と考えるうちに終わってしまうサイズですから細かいことは書きませんが、なんであろうと私はコイーバだ、という方にはいいかもと思っていましたが、フタを開けてみれば今では数多いリピーターを持つ人気商品の一つとなっています。

葉巻のブレンドとは

なぜこれほど多くの味が存在するのか?食べ物や色合い、音色などと同様に、ブレンドすることで葉巻も無限のテイストが存在するわけです。
基本的にはどうなっているかといいますと、大きくは3種類の葉タバコを混ぜ合わせる部分が重要になります。

volado/secos/ligeroと3種類の分類で、左のvoladoから段々との強度というものが強くなっていきます。
ligeroを加えると強い風味が加わりますが、料理で塩こしょうを行うのと同じように、voladoもなければ全体のバランスがとれません。

プレミアムシガーは当然に手巻ですから、その際に3種の葉の位置が悪ければ、テイストも落ちることなります。

また全体の太さや長さ、このトータルバランスで調整しなければ旨い葉巻は登場しないことから、卓越した経験と知恵、確立されたデータに基づいて作られる必要があることを考えると、やはりプレミアムシガーの誕生は、そのブランドの歴史に残る作品として表現しても、過言ではないかもしれません。