2010年 6月 の投稿一覧

気候変化と葉巻

今年の夏のアメリカ北西部は異常に気温が低く、6月半ば過ぎというのに朝は吐く息が白いくらいです。

アメリカの学者の間では、温暖化(Global Warming)という表現はあまり使われず、気候変化(Climate Change)という表現が一般的です。
温暖化ガスにより地球全体が数度暖かくなるのではなく、温暖化ガスのため、これまで保たれていた大気間のバランスが崩れ、雨の多かった地域はより雨が多くなり、乾いた地域はより乾いてしまうなどの変化が起きるのです。
我々が経験上知っている気候という物の状態が根本から変わってしまうのです。

これまで当然と考えられていた有名なサンフランシスコの霧も、近年は発生回数が減少の一歩です。
専門家の間では、カリフォルニア北部の霧はだんだんと無くなっていくと予測しています。

ちなみにアメリカ西海岸に生息する世界一大きな木セコイアは、この霧から成長に必要な水分を吸収します。
霧の回数が減れば、当然セコイアが同じ場所で生存することは難しくなります。
霧がなくなるということはセコイヤの絶滅を意味するのです。

葉巻に使われるタバコは南米の国々で生産されています。
タバコの良し悪しはその土地の土と気候による場合が大半です。
気候変化は世界規模で起きています。
現在タバコを生産している地域が極端な雨量の変化などにさらされた場合、今我々が何も考えずに楽しんでいる葉巻の生産量が大きく減ったり、その質が悪くなったりする事も大いにありえる話です。
皆さんが次の葉巻に火をつけるとき地球環境問題について考えていただければ幸いです。

ワシントン大学

先週は一週間ポートランドで学会に出席していました。

ポートランドには昔からの飲み友達が多いので、毎晩結構な量のアルコール、さらに一晩で数本の葉巻をを消費してしまい、体のほうがかなり参ってしまいました。

気分を入れ替えて、昨日からシアトルのワシントン大学に来ています。
夏季研究期間と称して、学生を一人連れて寮に泊り込みでの研究生活の始まりです。

先週は少し歯止め無く飲み(ビール)、吸った(葉巻)為、この一週間は毒抜きの感覚で、ビールも葉巻も平日は我慢しようと思っています。
そこで、今回は意識的に葉巻を持たずにシアトルに来ています。

葉巻を持参していない時に限って葉巻ショップが目に付くものですが、嫌味のようにワシントン大学の周りには葉巻を売っている店が多いのです。
けして葉巻専門店ではないのですが、“Smoke shop”と呼ばれる店で葉巻も結構揃えていたりするのです。
チラッと覗いてみたい気持ちを抑えながら(見て終えば買ってしまうのも時間の問題)、時代を感じさせる寮に戻ってきました。

久しぶりのロッキーパテル

最近は手軽に楽しめるロブストサイズにひかれて、ペルドモオリヴァばかり吸っていましたが、昨日久しぶりにロッキーパテルヴィンテージ1992トロサイズに火をつけました。

ロブストに比べると長さの関係か少しドローが重たい感じでしたが、ヴィンテージ1992独特の甘い味わいはこの葉巻でしか味わえない世界です。
数年前ハワイに住んでいた頃初めてこのロッキーパテルを吸った時の感動を思い出しました。
あの頃は確かにこのロッキーパテルだけの持つ甘さとスパイスの効いた味わいの虜になり、毎日のようにヴィンテージ1992と1990を吸い比べていました。

その頃住んでいたコンドミニアムからアロハタワーまで歩いていき、そこで20分ほど海を眺めてそこから少し横道にそれて、チャイナタウンを経由して家に帰ると丁度1時間。
トロサイズの葉巻が終わるころにコンドミニアムに帰ってくる、という散歩兼葉巻の時間を繰り返していました。
今では家のベランダか庭で猫を相手に、流れていく雲を見ながら一日を振り返り、そして明日の仕事を頭の中で整理するのが私の葉巻の時間です。
ハワイでの生活もこうして振り返ればそんなに悪くは無かったなと思わせるロッキーパテルでした。

一年ぶりのフィリピン

妻と恒例の夏のダイビング旅行でフィリピンに行ってきました。

毎年少しは違った場所に潜りに行こうと、いつも話しだけはするのですが、旅費と時間を考えるとフィリピンのそれもアポアイランドになってしまうのです。
結果として三年連続でアポアイランドで潜ることになりました。

アメリカ西海岸からアポアイランドに行くためには、まず成田経由でマニラに入ります。
マニラで一泊して次の日、国内便でネグロス島のドマゲッティまで一時間少し、そこからホテルの送迎車で30分位でアポアイランドの見えるダウインという町に到着します。
ここをベースにアポアイランドに潜りに行くのです。

アポまではバンカボートで30分から40分ぐらいです。
アポでは午前中に2本潜り、ランチを島で食べた後午後に軽く1本潜ってからホテルに帰る、というパターンが基本です。

アポアイランドの周りは禁漁区になっており、魚の数もサイズも最高です。
銀ガメアジの群れの中を潮流に乗って、流れながら潜るのはアポアイランドならではのダイビングです。
アポでのダイビングのもう一つの楽しみは、島に上陸してのランチです。
数年来の付き合いのダイブガイドが、新鮮な魚を手配してくれ、それを現地の人と同じように焼き上げてご飯と一緒に食べるのです。
過去には現地で取れたマグロの腹身(いわゆるトロです)をBBQにして、豪快に手でちぎりながら食べたのですが、今回はなんとマグロの背びれの付け根でした。
生まれて初めて食べたのですがマグロの背びれの部分は、トロ以上に油が乗っており歯ごたえもあり最高でした。

ダイビングを終えた後は、ホテルに戻りフィリピンの国民的ビールサンミゲールを一気に飲み干します。
二本目のビールを開ける前に、持参した南米産葉巻に火をつけるのです。

今回はオリバペルドモをシガーケースに入るだけ(何とか6本入りました)持ってきました。
海風を受けながら水平線に浮かぶアポアイランドを背景に味わう葉巻は最高の時間を作り出してくれました。