秋の気配

あっという間に8月が過ぎ去りもう9月です。
昼間のうちはまだ暑い太陽を感じますが、日が沈んでからは少し肌寒い感じもしないではないこの頃です。

秋と言えば収穫の季節でもあります。
私の住んでいるワシントン州東部は世界で有数のホップの原産地で、数日前からホップの収穫が始まりました。
アメリカで作られるビールの約75%は、私の勤めている大学の近くで生産されたホップを使用しています。
世界的にも全世界の50%のホップはこの地で生産されているとのことです。

ビール好きの私にとっては天国のような場所だと思うのですが、不思議なことにこのあたりには地ビールが無いのです。
原料は生産するが商品は作らない、少しもったいない感じがしないでもないのですが、多分何かの理由があるのでしょう。

話は変わって新しい葉巻についてですが、先日、日本向けにPredomo ESVを始めて出荷しました。
Predomo ESVは私のお勧め葉巻ナンバーワンであります。

この葉巻はミディアムボディーでありながら、クリーミーな煙とほのかなスパイスを持ち合わせおり、絹のようなスムーズなラッパーは綺麗に燃えてくれます。
秋の夕方に火をつけるには最高の葉巻だと推薦します。

【店長追記】
本日より、Predomo ESVを初めとする新アイテムの販売を開始いたしました。
是非、上陸したばかりのシガーをお楽しみ下さい。

猫と葉巻

先日、妻が猫を二匹シェルターからもらってきました。

突然家の中に猫が二匹住む事になり、長らく動物を飼っていなかった私は少し戸惑っています。
日本に住んでいた頃は実家で犬、熱帯魚、亀、インコ、それに勝手に住み着いた野良猫などを飼っていたので、ペット飼育に関しては素人ではないのですが、心の準備できないうちに猫が家に来たことは少しならずともびっくりしました。

猫が来てから私の葉巻を楽しむ時間帯が変わりました。
以前は適当に夕食後に散歩しながら外で葉巻を吸っていましたが、今は夕方日が傾いて気温が下がった頃に、二階のベランダで猫を相手に丘の向こうに沈んでいく夕日と夕焼けを見ながら葉巻を楽しんでいます。

猫は葉巻には全く無関心で時折迷い込む虫の方に興味があるようです。

USAシガーイベントレポート

アメリカ、ニューオリンズで8月8日~8月13日の期間、IPCPR 第77回コンベンション インターナショナルトレードショーが開催されました。

第77回を迎える今回は、250社以上にのぼる出展企業が参加した世界最大規模のシガーイベントに、当社米国責任者と私、2名で参加して参りました。

コンベンションセンターで行われた本イベントは、すべてのブースをチェックするだけで8時間もかかるほどで、会場の広さ、参加企業の多さには度肝を抜かれます。

アメリカで有名なシガーメーカーをはじめ、新興メーカー、グッズメーカーなど、シガーにまつわる様々な企業がブースを構えています。

シガコネではすでに取り扱いのあるシガーメーカーの新作確認や、アメリカ国内でのシガー動向調査を目的に参加しました。

アメリカではキューバシガーがないかわりに(※)、ドミニカ共和国をはじめとする南米産シガーや、アメリカ国内で造られているシガーなど、多くのシガーメーカーがしのぎを削っており、品質の高いシガーが数多く流通しています。

ニューオリンズの街中にもシガーを製造販売しているお店があり、ラスベガスなどでも興味をひくシガーが造られたりしています。

700万人ともいわれるアメリカのシガー人口を満足させるため、供給側の努力や競争の激しさを実感します。

そんなアメリカの最近のトレンドとして、フレイバーシガーが若者に人気があるそうです。
日本ではほとんど流通していないフレイバー付きのプレミアムシガーですが、アメリカではハーブ入りのものなど、多様な商品が存在します。

シガコネでは現在CAOフレイバーをご提供させて頂いていますが、今後機会があれば新たなフレイバーシガーもご提供できればと考えています。

消費最大国、アメリカで流通している素晴らしい葉巻や、グッズをこれからもご提供して参りますので、どうぞご期待下さい。

店長 阿賀

※アメリカはキューバへの経済制裁の為キューバとの国交がなく、 キューバ産葉巻の輸入、販売が出来ません。

IPCPR総会

IPCPRとはInternational Premium Cigar & Pipe Retailers Associationの略です。
日本語に直訳すると国際高級葉巻とパイプ販売業者協会となります。

今年で72回目を迎えるこの総会の会場に選ばれたのは、あのハリケーンカトリーナで被害を被ったニューオリエンズ市でした。

北米で販売されている南米産葉巻を日本の皆様に提供しているシガコネからは、アメリカ現地担当の私と、日本からの担当者の2人組みで参加しました。

現地入りしてまず驚かされたのが、その会場の広さです。
実に200以上の葉巻関係の会社が出展しており、ざっと眺めるだけで初日8時間かかりました。

会場内では当然喫煙OKで、ほとんどの人が葉巻をふかしながら会場を闊歩していました。
葉巻メーカーのブースではサンプルの葉巻を手渡しており、一日中葉巻を吸う事も可能でした。
私達2人も初日は4本ぐらの葉巻を消費しました。

ニューオリエンズ市の法律はラスベガスに似ており、道で葉巻を吸う事も、酒を片手に飲みながら歩く事も合法です。
総会中は参加者みんな一日が終わって、夕方からはかの有名なバーボンストリートに葉巻を片手に繰り出し、ビールやカクテルを飲みながらぶらぶら観光客と混じりながらニューオリエンズの夜を楽しみました。

アロハタワー

数年前、私はハワイに住んでいました。
ハワイという所は観光で訪れるには良いところですが、実際に生活するとなると、高い物価と渋滞、それに狭い住居のせいであまり薦められたところではありません。

私が住んでいたコンドミニアムは、アロハタワーから歩いて5分もかからないところにありました。
そこでの日課といえば、夕方日が落ちる頃アロハタワーの岸壁で葉巻に火をつけることでした。

アロハタワーの岸壁からは、毎週ハワイ諸島観光の大型クルーズ船が出向します。
私がハワイに住んでいた頃は、大型クルーズ船は確か三艘あり、それぞれ名前がつけられていました。
二艘はハワイに関係する名前で、残りの一艘はPride of Americaという名前でした。

船が桟橋を離れる前に、バンドと踊り子が桟橋からアロハオエを歌い、それを出航す船の乗客たちがデッキから見下ろしている様子を見ながら葉巻を燻らしたものです。
この様子を毎週見ていたのですが、あることに気が付きました。
このバンドと踊り子は、ハワイに由来のある名前の船が出る時はいつも桟橋でアロハオエを歌いフラダンスを踊るのですが、Pride of Americaが出航する日には桟橋に来ないのです。

その理由は多分、いまだにハワイ人の中に残る、アメリカによるハワイ朝廷への侵略に対する不満から来るものだと思います。
Pride of America という名の船に対して、アロハオエで出航を見送ることはハワイ人のプライドが許せないのでしょう。
実際、今のハワイでもっとも貧しいのはハワイ人で、土地のほとんどを本土から来た白人(最近では日本人を含むアジア人)に抑えられているのが現実です。

そんなことを考えながら桟橋を離れていく船を見つめながら葉巻を燻らしていました。

さくらんぼ

私の住んでいるワシントン州の東部では今サクランボの収穫期です。

今年は急激な春先の冷え込みもなく、サクランボの育ち具合はとても良く、毎日のようにサクランボを食べています。
このあたりで収穫されるサクランボには二種類あり、ひとつは日本でも最近見られる赤色のアメリカンチェリーと、もうひとつは日本のサクランボに似た黄色とピンクが混ざったような色のサクランボです。
アメリカのサクランボの味は確かに日本産の足元にも及びませんが値段の安さは格別です。
サクランボ一キロ買っても500円もしません。
日本ではひとつひとつ丁寧に食べていたサクランボも気軽にバクバク食べれます。

ワシントン州ではりんごの栽培も盛んで“FUJI”のブランドで日本発のふじりんごも作っています。
ここの富士りんごははっきり言って日本の富士りんごとは比較にならないほど貧相です。
まず玉が小さいその上皮が厚い、はっきり言って美味しくない。

ワシントンのサクランボは勧められますがりんごはお勧めできません。

東海岸出張

先日は学会出席のため東海岸バージニア州まで行ってきました。
私は基本的に西海岸、太平洋側の州でほとんどの人生を送ってきた人間なので、東海岸に行くことはちょっとした緊張と違和感を感じます。

東に行くたびに思うのは東部の州は西部に比べてアメリカの歴史を感じることです。
西部開拓以前にヨーロッパから人々が大西洋を越えて新地に新しい国を作っていった時代を感じさせます。
各地に残るコロニアル時代の建物を見るたびに、なぜか私はこの国にかって存在した奴隷制度を思い出します。

今回の学会の宿舎兼会場となった場所は、昔のコロニアル時代のマンション(英語でマンションは大きな邸宅を意味します)を改装したホテルでした。
敷地の中には大きな池や軽飛行機の発着できる滑走路までありました。
数キロに及ぶ散歩路が敷地内に敷かれており葉巻を楽しみながら歩くには最高の場所でした。
長い会議の終わった夕方そんな敷地内をやはり此処でも奴隷たちが働いていたんだろうななどと考えながら葉巻片手に歩き回りました。

十時過ぎの葉巻

今日は久しぶりに大学院時代の友人とビールを飲む機会がありました。
彼はオレゴンの大学卒業後ハワイで政府関係の仕事に就き、私がハワイの大学で教えていた時に時々ハワイ大学近くのバーでビールのピッチャーを囲んで夜遅くまで飲み明かした友人の一人です。

本土に帰ってからは彼に子供ができた事もあり会う機会も少なくなり、久しぶりにお互い時間が取れたので昔よく通った大学近くのバーでの飲み会となりました。

残念ながら彼は葉巻は全く吸わないので葉巻なしで昔話に花を咲かせた数時間でした。
家庭もちの彼と昔のように夜遅くまで飲むわけには行かず十時過ぎにはバーを出ました。

彼と別れた後、一人でポケットにあったOliva series Oに火をつけました。
大学構内を横切りフリーウエイの上にさしかかったところで過ぎ去る車を見ながら都会の夜に吸い込まれていく葉巻の煙の後を目で追っていました。
過ぎ去る車のテールランプを見ながら、ふと自分はこうして一人で人と別れた後に葉巻を吸う時間が思いのほかに多いことに気付きました。
確かに葉巻は煙の量が多いので人と接している時はどうしても吸いにくく、結果として独りになってから火をつける場合が多いのです。

でもこれは決して私にとって悪いことではなく、一人で過ぎ去った時間をそしてこれからの未来を考える機会となるのです。
葉巻を相棒に自分と時間との対話。
これは葉巻愛好だけに許された時間だと思うのです。
友人と別れてから火をつける十時過ぎの葉巻、それは今の私にとってとても大切な時間のひとつなのです。

夏の花火

夏の夜といえばやはり花火でしょう。
アメリカでは個人で花火で遊ぶことは法律上禁じられています。
初めてアメリカに来たころは花火を打ち上げることが違法で、ピストルやショットガンを所有したり発砲することは合法であることが矛盾に感じられて仕方がありませんでした。

個人での花火遊びが法律で禁じられている理由は火事を恐れてのことです。
確かにカリフォルニアあたりの山火事はいったん始まると数週間燃え続け、日本の県ひとつ分ぐらいは燃えてしまいますので、アメリカ人が火事を避けたがる理由はわかります。
そんなアメリカでも7月4日だけに限り個人で花火遊びが許されています。
7月4日はアメリカの建国記念日なのです。

私は毎年建国記念日はポートランドの川岸から市の主催で打ち上げられる花火を見ることにしています。
去年は少し離れた車寄せの上に立ちは葉巻を燻らせながら花火を楽しみました。

今年はワシントン州で毎年行われる花火大会が予算削減のためなくなってしまったので、6万人以上の人がポートランドの花火大会に来るらしいとの情報がありました。
そこで葉巻を6万人の人々の中で吸うのはかなり問題があると考え、まずダウンタウンのオープンバーでビールを飲みながら葉巻を楽しみ、その後花火を見に行くことに予定を変更しました。

ところで花火は英語ではFire worksといいます。
言葉のニュアンスからしてもファイアーワークスより花火のほうが風情があって良いと考えるのは自分がやはり日本人だからでしょうか?

チェ ゲバラ

葉巻の一番似合う人物といえば、やはりキューバ革命の中心でもあったチェ ゲバラだと思います。
戦闘服に身を包み葉巻をくわえているチェ ゲバラの写真は有名です。
キューバ革命の後アメリカのCIAにより暗殺されるまで、チェ ゲバラは南米の貧しい人々のため革命家として大資本と戦い続けました。
数年前キューバを訪問した際も町のあちこちで彼のポスターやたて看板を見ることができました。
キューバに限らず今でも南米のほとんどの国々でチェ ゲバラはヒーローとしてあがめられています。
アメリカにとってのテロリストは南米の国々に住む人々の救世主でもあるのです。

先日南米出身の友達からチェ ゲバラをたたえる歌のリンクを教えてもらいました。
歌は当然スペイン語なので全く理解できませんが、そのミュージックビデオは一見の価値があります。
ビデオのなかで女性が赤ん坊を抱いて機関銃を背中にしょっているシーンがありますが、これはニカラグア革命の時に出回ったポスターからイメージを取っているとの事です。
お勧めのリンク先は下記のリンクです。
南米産葉巻に火をつけるときその葉巻に伝わる歴史を感じてもらえれば幸いです。