youtube

最近youtubeを見て過ごす時間が増えました。

私は昭和生まれでキャンディーズが解散した年にアメリカに渡ったため70年代から80年代の日本の歌しか知りません。

ネットから30年以上前にはやった歌を拾い上げて聞いてみると、忘れていた昔の思い出がどこからともなく蘇ってきます。
多くの歌の題名も忘れている場合があり音楽が流れ出してからこんな歌もあったんだと感動することもあります。
俗に言う歌謡曲というのは振り返って聞いてみると実にその時代を反映していたことに驚きます。

葉巻を長年楽しんでいると葉巻によってはいつも同じ思い出を映し出すものがあります。
私にとってはLa Gloria Cubanaとハワイに住んでいたとき行きつけだったバーの思いでは切っても切れない関係にあります。
そのバーに集まる友人、そこでの会話それら全てがLa Gloria Cubanaに火をつけると蘇ってきます。

葉巻と友人

少し偏見かもしれませんが葉巻をたしなむのは男性の方のほうが圧倒的に多いと思います。

90年代の全世界シガーブームの頃には女性の方が葉巻を燻らしている写真など見かけましたが、シガーブームも去った今ではほとんどの葉巻愛好家は男性という感じです。

そこで男と葉巻の話ですが、男が男に送るプレゼントとして葉巻ほどいいものはないと思います。

私自身もヨーロッパ帰りの友人からキューバ産コヒーバをもらったり、パーティーの帰りに友人お気に入りの葉巻をもらったり、気がつけばいろんな状況で葉巻をもらっています。

先日、私の古くからの親友が離婚した際もヒュミドールの中から最高の葉巻を選んで10本ほど送りました。

数日後電話で話をした際、彼は離婚のことはほとんど会話にしませんでした。
それでも彼が会話の最後に“Thanks for the cigar, it helps” (葉巻ありがとう、ほんとに助かるよ)と告げました。
彼は彼なりにすべての苦い思いを葉巻の煙とともに昨日へと送り去ったのでしょう。

男から男への黙って手渡すシガー、そんな葉巻もたまには良いんじゃないかな、と思うのは私だけでしょうか。

サンディエゴ出張

個人的な話になりますが、私は長年柔道をやっている関係でアメリカ柔道協会の役員を務めています。

先日カリフォルニアのサンディエゴにて全米柔道大会があり、それに先立って柔道協会の会議がありました。
会議の合間に旧知の柔道関係者と葉巻の話になり、南米に試合に行った際、キューバ産の葉巻50本を20ドルで現地の人間から購入したけどいくらで売れるだろうという質問を受けました。

キューバ産の葉巻は基本的にアメリカでは買えません。
ですからキューバ産葉巻にはプレミアムが付き一本$30から$50以上の値段が付きます。
一本40セントの葉巻が$40で売れれば100倍の儲けということになります。

こんなうまい話があるのでしょうか?
問題は50本$20のキューバ産葉巻です。
この葉巻は間違いなく偽物です。

アメリカでも偽物葉巻が多く出回っており、インターネットなどで販売されています。
柔道関係の知人は葉巻愛好家ではなくキューバ産葉巻という事に惹かれて購入したわけですが、その安物偽キューバ産葉巻のほとんどを友人に配ったそうです。
キューバ産葉巻と信じてこれらの葉巻を吸った人の感想は知る由もありませんが、多分葉巻はまずいと確信を持つ人が増えたことだけは確実です。

サンディエゴでは葉巻を楽しむ時間はありませんでしたが自宅に戻ってから久しぶりにロッキーパテルのトロサイズをゆっくり楽しみました。
久しぶりでしたがロッキーパテルは本当に美味しい葉巻です。
値段的に倍以上のキューバ産葉巻と比べてもまったく引けをとりません。

日本に住んでいた頃は気にもしなかった桜ですが、海外に長く住むとなぜか桜と日本は切っても切れない関係にあることに気付きます。

ポートランド市の川岸にも桜並木があり、この時期は綺麗な桜を楽しむことができます。

先週末ポートランドのコンドからワシントンの自宅に戻ってくると、昨年庭に植えた桜にぽつぽつと花が付いていました。
自宅に植えた桜の木はまだ2メートルに満たない小さな木なので顔のレベルで花が見えます。

早速、花見と決め付けてモンテクリスト マドュロ ロブスト(まだ日本では販売していません)に火をつけました。
40分ほど5本ある桜の木を一本一本見回りながら葉巻を楽しみました。

桜と日本。桜と思い出。日本の思い出。
そんな感じでアメリカに初めて住み始めた頃のことを考えました。

あのころは確かに祖国をはなれて海外に住んでいると言う切ない感じがありました。

しかし近年では破格の航空運賃やインターネットのおかげで日本との連絡、往復も気軽にできるようになり、海外に住んでいてもあの独特の海外生活の孤独な感じはなくなりました。
おまけに近所のスーパーマーケットではパック入りの寿司を普通に買うことができるのです。
まあこれも時の流れなのでしょうが、少しさびしい感じがします。

そうしてふと思ったのですが、思い出の世界に浸る時には葉巻ほど完璧なパートナーはありません。

ステーキハウスと葉巻の関係

アメリカでも上等なステーキは特別で祝い事や商談などの時に食べに行くのが恒例です。

大抵のレストランのメニューにステーキはありますがアメリカで上等なステーキを食する場合はやはりステーキハウスと呼ばれる専門店に限ります。

有名なところではRuth’s Chris Steakhouse、Hy’s SteakhouseやMorton’s steakhouseなどがあります。

アメリカの高級レストラン(ステーキハウスを含む)には大抵、バー(食事を注文しなくてもお酒だけ飲むことができる)とダイニング(基本的には予約して食事をする)があります。

ちなみにMorton’s Steakhouse のバーはアメリカでも数少ない葉巻の吸えるレストランバーのひとつです。
レストラン内のバーはレストラン客が待ち合わせや予約したダイニングの時間までの軽く一杯ひっかけるために使われます。

バーでマティーニを片手に葉巻を吸って時間をつぶし、綺麗なウエイトレスの案内で飲みかけのマティーニをそのまま持って(場合によってはウエイターが別に運んでくれる場合もある)ダイニングに移動し12オンスの巨大なステーキを平らげる。
これが私の考える理想的なアメリカでのステーキの食べ方です。

葉巻をゆっくり吸いたい場合はこの順序を逆にします。まずステーキを食べてそれからバーに移動してカクテル片手に葉巻に火をつける。
さてステーキハウスで吸う葉巻のサイズですがはやはりロブストもしくはトロサイズです。
やはりあの巨大なサイズのステーキと合わせるにはコロナサイズでは葉巻がステーキに負けてしまいます。

ミゲールのヨット

南米のニカラグアといえばオリバなどの有名な葉巻を生産している国です。

私の十年来の親友の一人ミゲールはニカラグア出身です。
彼とは大学院時代に知り合いITバブルの頃には一緒に会社を立ち上げたこともあります。
その会社はITバブルに乗ることなく数年でなくなりましたが、彼との友情はまだ続いています。

ニカラグア出身なら当然葉巻に通じていると考えたくなりますが、彼は葉巻はまったく吸いません。

そのミゲールが一年ほど前に中古のセールボートを購入しました。
30フィートの外洋船です。
ミゲールの予定はこのヨットを完全にレストアして世界一周に出かけることです。

彼曰く男は誰でも一度は大きな夢を持つ、でも人生の中でその夢を実際に実行できる男は数少ない。
彼の場合はヨットで世界を回ることが夢であり、現時点で妻も子供もない彼にとってその夢を達成するのは今しかないということです。

ミゲールの予定では今年の8月には出航することになっています。
果たして本当に予定通りにいくのかどうかはレストアの進み具合次第です。

私も週末に時間があれば彼のヨットのレストアに付き合います。
一日の作業が終わり葉巻に火をつけると煙の向こう側にミゲールと彼の船が何もない水平線を目指して進んでいく様子が浮かびます。

夢を追い続けることができる男というのはどこか寂しい感じがすると思うのは私だけでしょうか。

アメリカでのWBC

昨日、日本が韓国を5-3で破りWBC二連覇を決めました。

日本のニュースはネットでしか見ることができないので良くわかりませんが日本国民皆が勝利を喜んでいたようですね。

ベースボール発祥の地アメリカではWBCはスポーツ記事としてもあまり大きく取り上げられませんでした。
全米大学バスケットボールがスポーツ記事の一面で日本のWBCでの優勝はその裏に載っていたぐらいです。

アメリカという国はスポーツに関してはとても自己中心的でアメリカ国内でしか行われていない試合にWorld series(世界選手権もしくは世界大会)という名をつけるのです。
そのくせ実際に世界中で行われるスポーツ、サッカーワールドカップ、フォーミュラー1、世界ラリー選手権、世界スケート選手権、世界ラグビー選手権などには国民のほとんどが興味を持たず国内向けスポーツだけがテレビや新聞に取り上げられるのです。

世界レベルのスポーツに国民が興味を示さない理由はアメリカの約半分は田舎であり国際感覚のない人々で占められていることによります。
こういった人々にとってはアメリカが世界の全てでありほかの国の存在はほとんど意味を持っていないのです。
それゆえにWBCやサッカーワールドカップの存在すら知らない人がたくさんいるのです。

アメリカは世界の国々と比べるといろんな意味でとても田舎っぽい国なのです。

昔聴いた話ですがアメリカ人の金持ちはどんなにお金を持っていてもイギリスやフランスの社交会には本当の意味で入れないそうです。
その理由は案外アメリカ文化の根底にある田舎臭さにあるのかもしれません。
幸いなことに葉巻を楽しむ現代のアメリカ人は国際感覚に優れた人が多いと思います。

S-CHIP

S-CHIP(State Children’s Health Insurance Program)
たぶん日本にお住まいの方は聞いたこともない言葉だと思います。簡単に訳すると州立子供介護保険制度といったところでしょうか。

アメリカという国は50の州からなりたっておりFederal (合衆国政府)とState(州政府)の二つの法律があります。

税金も州と合衆国政府に別々に収めることになります。そのため介護保険も一部は合衆国政府が州に補助金を出してまかなうという形で行われるのです。

さてこのS-CHIPですが、この保険制度にかかる費用は100%タバコ税でまかなうことになっているのです。オバマ政権下ではS-CHIPの予算が大幅に増やされると予想されています。葉巻愛煙家にとってこれは下手すればシガー1本あたり$3の増税になるかもしれないといわれています。

現実的には一本につき$1ぐらいの増税の可能性があります。このタバコ税はFederalレベルでかかってくるためアメリカで流通しているタバコすべてが対象になります。

葉巻の末端価格にこの増税がどれ位い影響を与えるかはまだわかりません。
増税後は葉巻に火をつけるたびに$1の社会福祉貢献していることになります。
医療費の払えない子供たちを助けているんだと思いながらモンテクリストホワイトあたりを優雅に葉巻をくゆらすのも悪くないような気がします。

ラスベガスと葉巻

先週末は仕事でラスベガスでした。

個人的には賭け事に興味がないので、私のベガスでの楽しみは道行く人を眺めることです。

実にベガスにはありとあらゆる容姿の人々がこれまた実に面白い格好で集まってきます。
下手なショーより歩道でこれらの人々を眺めることはここでしか味わえない楽しみです。

なんでもありのこの街は歩きタバコも、歩きながらビールやマルガリータを飲むこともすべてありの世界です。
それにベガスほど葉巻が似合う都市もそうありません。
しかし歩道で歩きながら葉巻を嗜むことは、やはり歩行者の迷惑や安全を考えるとあまり勧められたものではありません。

シーザーズパレスの中には人気のある葉巻バーがあり、そこでシングルモルトとともに葉巻を楽しむこともできますが、この葉巻バー個人的には少し煙たすぎると思います。

そこで私のお気に入りベガスでの葉巻スポットについて書いてみます。

べラジオの向かいバリーホテル正面の歩道沿いの縁石です。
ホテル入り口の植木沿いに丁度いい縁石があり、ここに腰掛けて道行く人を眺められるうえ、べラジオの噴水ショーも真正面から見ることができます。

この場所はバリーホテルが歩道から奥まって建っているため、歩道にかなりの幅があり縁石に座って葉巻を吸っても人の迷惑にはなりません。

仕事が終わってゆっくり一人でこの縁石に座り道行く人々を眺めながらモンテクリストを燻らしていると人々の人生について考えます。

みんな夢を持ってこの世に生まれ、そして現実に揉まれる日常を忘れるためにこの街に来るのでしょう。

この町は確かに人々の欲望と夢とをコンクリートと張子の彫刻で実現してくれるのです。

この町では若い女性は肌をいつも以上に出すことでセレブになり、男性はフェラーリをレンタルしてベガス通りを走ることでミリオネアになることができるのです。

人の人生に夢と欲望があり、そこに現実とのギャップがある限り人は今日もベガスに来るのだろう、そう思いながら葉巻の灰を歩道に落としました。

オレゴン富士

先週末は三日間でやく700マイル運転しました。

仕事が終わってからワシントンの自宅からポートランドへ、次の日の朝ポートランドからMount Hoodを通過してオレゴンのスキーリゾート地Bendまで走り、一泊して自宅まで帰るという強行軍でした。

Mount Hoodではまだ雪がたくさん残っており30マイルほどアイスバーンの山道を時速60マイルから70マイルのスピードで少しテールを滑らせながら走りこむことができました。

このMount Hoodは形が日本の富士山に似ているということでオレゴンに住む日系人の間ではオレゴン富士と呼ばれています。
私自身は富士山そのものをじっくりと見たことがないので(写真ぐらいです)正確な比較はできませんが確かに火山としての形は似ています。

オレゴン富士の山道は結構楽しく走ることができましたが、アメリカの田舎道を走った経験のある方ならわかると思いますが、基本的にアメリカの道は真っ直ぐで長距離運転は単なる睡魔との闘いです。

アメ車といえばハンドリングが悪いという定説があるのもアメリカで販売するだけの車ならハンドリングより乗り心地優先で作られていたからでしょう。

今回のドライブでも700マイル中30マイルが山道で670マイルは直線でした。
おまけにいつものトラベルヒュミドールを携帯するのを忘れたためオレゴン富士を眺めながらのシガータイムもお預けになりました。