葉巻の秋

秋は葉巻の似合う季節だと思います。

火をつけた瞬間から少しずつ短くなっていく葉巻はちょうど日を追うごとに短くなっていく秋の夕暮れと重なるものがあります。
夕日の中に消えていく煙に夏の思い出を重ねながら葉巻を楽しむのは、葉巻愛好家だけに与えられた貴重な時間だと思うのです。

葉巻の色もまた秋を感じさせるものがあります。
コネチカット、ハバナス、カメルーン、マデュロ、これら色々なラッパーはどれも秋の落ち葉に見つけることのできる色合いです。
考えて見れば葉巻自体が枯れたタバコの葉からできている訳ですから、落ち葉と通じるものがあるのは当然です。

私は葉巻に火をつける前に、そのラッパーの感触と色合いを確かめることにしています。
火をつけてしまえば小一時間で灰になってしまうは葉巻ですが、こうして自分の指の間に収まるまでに実に多くの自然の恵みと人々の労力が詰まっていると思うのです。
そんな葉巻の色合いと感覚を楽しむのはやはりこの秋の季節に限ると思うのです。

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