初雪

先週の終わり頃から、ぱらぱらと白いものが氷雨に混じって降るようになりました。
天気予報も明日は完全な雪日和と伝えています。

今週はいよいよ本格的な冬模様になるようです。
外気温が氷点下まで下がると、さすがに外では葉巻を楽しむことはできなくなり、スモーキングルームの出番です。

この家に引っ越してきてから早くも3年になりますが、スモーキングルームのほうはまだ完全には完成していません。
空調、ライト、それに天井付けの換気扇は稼動できる状態なので、スモーキングルームとして使用することは可能なのですが、床はまだコンクリートの上にカーペットを敷いただけの状態です。

本来のプランでは床にもちゃんとタイルを張り、ガレージドアを設置し、冬場は乗らないスポーツカーを見ながら葉巻を楽しめる空間に仕上げる予定です。
残念ながら今年の夏場は全く手を入れなかったので、昨年から発展は無く、今年の冬も未完成の空間を見つめながら葉巻を楽しむことになりそうです。
この季節に寒さに震えることなく自宅で葉巻を楽しめるだけでも良しとするべきかもしれません。

最高の葉巻を求めて

長年葉巻を楽しんでいると、一体最高の葉巻とはどんな葉巻なのだろうかと考える事もあります。

これは答えがあるようで無いような質問の一つだと思うのです。
多分10人の葉巻愛好家にこの質問を投げかければ、十通りの返事が返ってくると思います。

私に限って言えば、自分にとって最高の葉巻はその時代に合わせて変わってきました。
葉巻を真剣に楽しみ始めたのはハワイにで生活していたころです。

自分でこれはいい葉巻だと最初に感じて何度も楽しんだ葉巻はLa Gloria Cubanaでした。
その後Rocky Patel Vintageに変わりました。
本土に戻ってからはOliva Serie OPerdomo ESVが気に入っています。
でも、これらが最高の葉巻だと言い切れません。

今年の秋口に、妻と二人で夕焼けを見ながら、足元でじゃれる猫とともに楽しんだ葉巻は名前すら覚えていませんが、最高にいい味の葉巻でした。

こうして考えてみると葉巻が最高と思えるためには、その葉巻を包む時間の質がとても大切な感じがします。
一定の品質を越えた葉巻なら、時間次第で最高の葉巻になる素質を持つているのかもしれません。

眠れない夜の葉巻

皆さんはなかなか寝付けない夜更けに葉巻に火をつけたことがありますか?
私の場合激しい運動をした日の夜など、ベッドに入ってもいつまでも寝付けない場合があります。
運動して体を動かしたのだから疲れて眠れそうな感じなのですが、不思議と寝付けないのです。

こんな夜はそっとベッドを抜け出してスモーキングルームに向かいます。
コロナもしくはロブストサイズの葉巻をヒュミドールから選び出し、静かな寝静まった夜の空気を感じながらそっとカッターで吸い口を切る感覚は、何か隠れて悪いことをしているような錯覚に陥ります。
ターボライターの青白い火をゆっくり回しながら葉巻に火をつけるのは、眠れない夜の儀式といった感じです。

そんな夜にはただ純粋に葉巻のアロマを楽しむようにしています。
変にいろんなことを考えるのではなく、ただ消え行く煙に気持ちを重ねながら葉巻の持つ本来の味をじっくりと味わうのです。
ゆっくり時間をかけて葉巻を味わい終えたころには、体の芯にあった疲れや考え事も葉巻の灰の一部となり、ベッドに戻るころには眠りつくことができるのです。

アイダホ州

大学関係の仕事でアイダホ州に来ています。
正確には4日前にアイダホに入り、このブログを書いているのは帰りの飛行機を待っている空港内です。

アイダホを言えばポテトしか頭に浮かんできません。
確かに海があるわけでも山があるわけでもない内地の州ですから、仕事でもない限り自分から来ることは無いと思います。

いつものように初めての旅先なので、ハードロックカフェのハリケーングラスを購入しようと、アイダホ州にあるハードロックカフェを探したのですが、ハードロックカフェ自体がアイダホ州には存在していませんでした。

仕方なくせめて日本食の店でもと、泊まっているホテル近辺のレストランを検索したところSHIGE(重)という名の日本食レストランを見つけました。
結果から言えばこの重さんの営む日本食屋さんはかなりレベルが高く、滞在中の4日間かなりお世話になりました。

旅行先では現地の食事をするように心がけている自分ですが、アメリカ国内旅行ではこれがとても難しいのです。
アメリカはどこの町に行っても同じ系列のレストランがあるだけなのです。
その地に根付いた食事を探すことはかなり難しく、まして学会やコンベンションの行われているホテルの周りには、全国展開のファミリーレストランがあるぐらいです。

最近は妻に葉巻を控えるように言われているので、今回の出張も葉巻の無い旅でした。
まあ仕事での旅行では自分だけの時間を持つのも難しいので、葉巻を持参しても楽しめなかっただろうと思います。

今週はとても忙しく今夜家に帰るのは夜の10時過ぎで、明日の朝9時にはラスベガスに柔道関係のミーティングの為、また空港に戻らなければいけません。
ベガスではOlivaあたりをゆっくり楽しめたら良いなと考えているところです。

冬支度

私の住んでいる東ワシントン州では、十月半ばになると一気に朝方の気温が下がります。
この時期になるとどの家も冬支度を始めます。

まずは庭に設置されている芝生用スプリンクラーの配管から水を抜き取ることです。
この作業を怠ると配管内に残った水が凍り、その結果膨張した氷のため配管が破裂してしまうのです。

その次は外部に面した水道口に発砲プラスチックのカバーをつけます。
これも氷つきを防ぐ為の手段です。

さらに家の床下にある換気口に発砲プラスチックのふたを取り付けます。
これは冷たい空気が家の下に入らないようにする工夫です。

私の場合はさらに冬場は乗ることの無いスポーツカーをガレージの奥に横にしてとめます。
こうする事で普段は二台しか入らないガレージに三台とめる事ができるのです。

最後は夏場は殆ど使わなかった葉巻スモーキングルームの掃除です。
この先数ヶ月間葉巻と過ごすであろう空間を準備することで、私にとっての冬篭りの支度が完結するのです。

将来はこのスモーキングルームの横にスポーツカーを止めれるようにする予定ですが、時間と資金の問題で今年の冬も未完成の空間を見つめながら葉巻を楽しむしかないようです。

オレゴン産松茸

毎週土曜日になると、ポートランド州立大学の中庭でファーマーズマーケットが開かれます。
無農薬の野菜やフルーツそれにチーズなど、実に色々な新鮮な品物を売る屋台が所狭し戸並んでいて、見て回るだけでも十分楽しめます。
妻と私もこのファーマーズマーケットはとても気に入っており、機会があれば散歩のついでに眺めることにしています。

先週の土曜日もそんな感じで小雨の降る中、この店あの店と見て歩いていました。
いつもきのこを山積みにして販売している店に来たとき、私は思わず立ち止まりました。

なんと“Matsutake”とマジックでダンボール用紙に書いたその横には、松茸を山積みにして販売していたのです。
気になる値段は1ポンド(約500グラム)$18でした。
どう考えても安い、それに匂いもちゃんと松茸のにおいがするのです。

早速2ポンドほどを$30で購入しました。
かなりの量の松茸で買ったのはいいのですが、どう料理していいか良くわからずフライパンで炒めたり、粉末のほんだしスープに入れてみたり、パスタに混ぜてみたりして消費しました。

結果から言えば松茸の食べすぎはあまり胃腸にいい感じではありませんでした。
ちょうど葉巻の吸いすぎた次の日の朝といった感じでしょうか。

ワシントンのホップ

私の住んでいるワシントン東部は、ビールに欠かせないホップの生産地として有名です。
全米の実に75%、全世界の30%にあたる年間消費されるホップはここで生産されています。
私の働いている大学の回りもすべてホップ畑です。

9月の終わりから10月にかけてはホップの刈入れ時です。
ホップの収穫は、まだ夜が明ける前に行われるようで、昨日まで地平線まで広がっていたホップが次の日には全て刈入れられ、朝の通勤ドライブ中にその風景の劇的な変化に唖然とする事もよくあります。

この地で生産されるホップのかなりは世界中に輸出されていきますが、現地(オレゴンもしくはワシントン州)で作られる地ビールにも当然使われます。
この週末、ポートランドにある馴染みのレストランバーでビールを注文したところ、いつものビールは無くタップ(生ビール)の殆どが収穫されたばかりのホップを使った季節限定のビールでした。
丁度ワインで言うとこのボンジョレヌューボといった感じでしょうか。
早速すこし軽めのドライな採り立てのホップで作られた生ビールをオーダーして、収穫の秋に乾杯しました。
残念ながらこのバーはスモーキングセクションがなく、作りたてのビールに葉巻を合わせて楽しむことはできませんでしたが、ビールの味からすればOliva serie Oあたりがお勧めかと思います。 

葉巻の秋

秋は葉巻の似合う季節だと思います。

火をつけた瞬間から少しずつ短くなっていく葉巻はちょうど日を追うごとに短くなっていく秋の夕暮れと重なるものがあります。
夕日の中に消えていく煙に夏の思い出を重ねながら葉巻を楽しむのは、葉巻愛好家だけに与えられた貴重な時間だと思うのです。

葉巻の色もまた秋を感じさせるものがあります。
コネチカット、ハバナス、カメルーン、マデュロ、これら色々なラッパーはどれも秋の落ち葉に見つけることのできる色合いです。
考えて見れば葉巻自体が枯れたタバコの葉からできている訳ですから、落ち葉と通じるものがあるのは当然です。

私は葉巻に火をつける前に、そのラッパーの感触と色合いを確かめることにしています。
火をつけてしまえば小一時間で灰になってしまうは葉巻ですが、こうして自分の指の間に収まるまでに実に多くの自然の恵みと人々の労力が詰まっていると思うのです。
そんな葉巻の色合いと感覚を楽しむのはやはりこの秋の季節に限ると思うのです。

南カリフォルニア

先週末は久しぶりに南カリフォルニアで週末を過ごしました。
到着したのはロサンジェルス空港ではなく、50マイルほど南に在るサンタアナ空港でした。
サンタアナ空港はまたの名をジョンウェイン空港といいます。

空港のロビーには、ウエスタンスタイルで腰の銃に手をかけようとしているジョンウェインの銅像が建っています。
その銅像を見ていると、昔日本のテレビで放送されていた洋画劇場でよく見た西部劇が思い出されます。
あの頃考えていたテレビの中のアメリカと、今30年以上住んでいるアメリカの違いに思わず意味も無く戸惑ってしまいました。

その日はハリウッドのハードロックカフェでお決まりのハリケーングラスを購入した後、フリーウェイを使わずにサンタモニカ通りを使ってビバリーヒルズ経由でサンタモニカの海岸線を目指しました。
初日の晩はベニスビーチ(シュワルツネイカーがウェイトトレーニングに励んだマッスルビーチもこの近くです)の隣にある、マリーナデルレイ港内のホテルに泊まりました。

夕食を食べた後、ホテルに戻るとパトカーが数台ホテルの前に止まっており、なんとも物々しい風景が広がっていました。
野次馬根性一杯の私は、ポリスが数人集まっている一階の部屋のベランダ辺りまでさりげなく歩いていき、部屋の中を覗きました。
そこには二人の男性が床に手錠をかけられてころがされおり、連れと思われる女性がポリスにいろいろ質問されていました。
数分後には女性も含め皆さん手錠をかけられ連行されたので、私の思うところ多分、麻薬の取引現場か何かだったのでしょう。

日頃田舎に住んでいる私には都会でのこうした日常がとても刺激的に感じられた一日でした。

チャイナタウン

日本の横浜や神戸にチャイナタウン(中華街)がある様に、アメリカの大きな町には決まってチャイナタウンが存在します。

サンフランシスコの中華街のように、観光客に溢れているチャイナタウンは全体からすれば稀で、チャイナタウンはあまり治安の良くない都会のはずれにある場合が殆どです。

ホノルルのチャイナタウンもその例に漏れず、麻薬もしくはアルコール中毒者、売春婦、ホームレスが溢れていました。
ホノルルのチャイナタウンは、当時住んでいたコンドミニアムから歩いて数分の距離にあったので、買い物や安い外食によく利用しました。

ハワイ時代はコンドミニアムの入り口で葉巻に火をつけて、そこから真っ直ぐ海に向かって歩いて、アロハタワー経由でチャイナタウンを回って家に帰るのが夕方の葉巻散歩の基本でした。

アロハタワーは観光客で結構にぎわっていても、チャイナタウンの始まるあたりからは人数もまばらになり、寂れたバーから漏れてくる明かりが怪しくそのあたりを照らしていました。
その人生の終わりを待つだけの雰囲気が漂うバーには一度も足を踏み入れることはありませんでしたが、今でもハワイ時代に良く吸っていたLa Gloria Cubanaに火をつけると思い出します。
ちなみにそのバーの名前はParadise Lost(失われた楽園)でした。