ポートランドには、全米でもっとも美しいとされる日本庭園があります。
実はポートランドで十年近く過ごしているのに一度も行ったことがありません。
日本に一時的に戻る時はいつも京都の寺や日本庭園を見て回る時間をとるのですが、不思議とポートランドの日本庭園にはいちども足を運んだことがありません。
アメリカ人が作った日本庭園というのはどうも外国人の握る寿司と同じで、何か少しずれているような気がしてあまり興味を抱かせないのだと思います。
しかし最近では寿司も“Sushi”となり、メキシコ人の握る寿司も気にせずに食べていますので、アメリカにある日本庭園を訪れてみるのも悪くないかもしれません。
毎年10月にはこのポートランド日本庭園で、なんと琴を聞きながら月見が行われるのです。
月見をする人など現在の日本でも少ないのではないでしょうか。
案外アメリカの日本庭園のほうが日本的だったりするのかもしれません。
琴を聴きながらの月見も良いかもしれませんが、今の私は葉巻を燻らしながらの月見になってしまうと思います。
多分日本庭園内は禁煙でしょうから、川沿いの公園でポートランドのビルの合間に浮ぶ月を見ながらMontecristoあたりに火をつけることになりそうです。
アメリカ便り
運動の秋
秋といえば日本では運動会の季節です。
実はアメリカには運動会を言うものがありません。
その代わりアメリカの高校、大学には学校のスポーツチーム(アメリカンフットボール、野球、バスケ、レスリングなど)があり、そのチームの参加している試合を学生やその地域の人々が週末ごとに出かけていって応援するのが一般的です。
有名な大学のフットボールやバスケの試合となると、もうこれはプロの試合と同じで、全国でテレビ放送され一大イベントになります。
テレビの前に座ってピザ、ポテトチップスをつまみにビールを飲みながら贔屓のチームを応援する。これが一般的なアメリカでのスポーツ観戦の様子です。
いくら自称スポーツファンでも高カロリーのつまみとビールを飲みながら、時々喚起の声を上げて立ち上がるぐらいではどんどん太っていくだけで、多くのアメリカ人はスポーツ選手と正反対の体系をしています。
10メートルも走ったら息を切らすようなスポーツファンが、スクリーンに映る選手の評価をしているのは滑稽を超えて悲しいものがあります。
私もそうならないように朝からウエイトトレーニング、午後には柔道、時間があればジョギングを心がけています。
汗を流した後にはちょっと軽めの葉巻をライトビールと一緒に楽しみます。
Predomo(ペルドモ)
前にブログで紹介したPredomo ESV 1991がようやく日本でも販売できるようになりました。
Predomoは私の一押しでシガコネで販売することになりました。
この葉巻はライトからミディアムボディーにもかかわらず実に深い味わいを持っています。
絹のようにスムーズなラッパーとその作りこみはキューバ産葉巻には無いエレガントな感覚です。
あえて言えばモンテクリストプラチナに似ています。
始めてこの葉巻に出会ったときは一週間ほど毎日Predomoばかり吸っていました。
仕事上私は色々な葉巻を試さなければいけないので、意思に反してPredomo を吸わない日を設定したほどです。
それでもやはり週に一度はPredomo に火をつけています。
クリーミーな煙とバニラにまじったほのかなスパイスの虜になるのは、きっと私だけではないと思っています。
こうしてブログを書いているとまたPredomoがほしくなりました。
明日の糧
今日も仕事が終わってから家のバルコニーで葉巻に火をつけました。
いつもと違うのはジャケットをクローゼットから取り出したことです。
ほんの数日前までは肌で夏の終わりを感じながら、夕焼けに消えていく葉巻の煙を目で追っていたのですが、今日はジャケットなしでは葉巻を楽しむことはできませんでした。
今年の夏は妻の仕事の関係でまとまった休みがとれず、毎年楽しみにしている南の島でのダイビングもお預けでした。
長年南の島で暮らした私は、休暇といえば白い砂浜と椰子の木、それに時間とともに色を変えていくコバルトブルーの海と決めています。
南の島でのバカンス抜きの夏が終わり、こうして東ワシントン州の片田舎で一人、猫を相手に葉巻を吸っているといろんなことを考えます。
過去に訪れたミクロネシアの島、突然のスコール、誰もいない無人島で見上げた満天の空、でも今現実として自分の前にあるのは残り30分ほどになった今日の葉巻。
残り30分、今と向かい合う自分を煙に隠し、過去の過ぎ去りし時間を楽しむことは、私にとって明日からの煩雑な日々を有意義な時間に変えてく糧となるのです。
南米産葉巻
先月ニューオリエンズで開催されたIPCPR総会から帰ってきてから、色々と資料を整理していて考えたのですが、数多くある南米産葉巻もそれぞれが特色を持たせており、その葉巻メーカーの持つ色を日本の葉巻愛好家の皆さんに伝えられたら、もっと葉巻が面白くなると思います。
個人的にはキューバンブランド以外のCAO, Rocky Patel, Oliva, Acid Cigarの4社の葉巻が気に入りました。
CAO はモダンな近代的ないわゆるクールな感じのブランドです。
Rocky Patelは高級感を持たせながらも、イメージ的にはちょっと葉巻の世界では異端児、有名ブランドに自社ブランドで挑戦し続ける感じです。
Olivaは高級正統派。
バンドの雰囲気からすべてにおいてしっかりした葉巻を確実に作り続けるメーカーといえます。
Acid Cigarはまだ日本には入れていませんが、アメリカでは人気の高いフレーバーつき葉巻を得意とするメーカーです。
葉巻メーカーとしては珍しく若者をターゲットとしているため、イメージにはバイクを使用しています。
雰囲気的にはちょっと危険な遊び心といった感じでしょうか。
葉巻として考えた場合これらのメーカーの作る葉巻は、キューバ産葉巻と比べてもひけをとるものではありません。
その場の雰囲気と気分で葉巻のブランドを変えてみる、そんな葉巻の楽しみ方を考えてみるのも面白いと思います。
秋の気配
あっという間に8月が過ぎ去りもう9月です。
昼間のうちはまだ暑い太陽を感じますが、日が沈んでからは少し肌寒い感じもしないではないこの頃です。
秋と言えば収穫の季節でもあります。
私の住んでいるワシントン州東部は世界で有数のホップの原産地で、数日前からホップの収穫が始まりました。
アメリカで作られるビールの約75%は、私の勤めている大学の近くで生産されたホップを使用しています。
世界的にも全世界の50%のホップはこの地で生産されているとのことです。
ビール好きの私にとっては天国のような場所だと思うのですが、不思議なことにこのあたりには地ビールが無いのです。
原料は生産するが商品は作らない、少しもったいない感じがしないでもないのですが、多分何かの理由があるのでしょう。
話は変わって新しい葉巻についてですが、先日、日本向けにPredomo ESVを始めて出荷しました。
Predomo ESVは私のお勧め葉巻ナンバーワンであります。
この葉巻はミディアムボディーでありながら、クリーミーな煙とほのかなスパイスを持ち合わせおり、絹のようなスムーズなラッパーは綺麗に燃えてくれます。
秋の夕方に火をつけるには最高の葉巻だと推薦します。
【店長追記】
本日より、Predomo ESVを初めとする新アイテムの販売を開始いたしました。
是非、上陸したばかりのシガーをお楽しみ下さい。
猫と葉巻
先日、妻が猫を二匹シェルターからもらってきました。
突然家の中に猫が二匹住む事になり、長らく動物を飼っていなかった私は少し戸惑っています。
日本に住んでいた頃は実家で犬、熱帯魚、亀、インコ、それに勝手に住み着いた野良猫などを飼っていたので、ペット飼育に関しては素人ではないのですが、心の準備できないうちに猫が家に来たことは少しならずともびっくりしました。
猫が来てから私の葉巻を楽しむ時間帯が変わりました。
以前は適当に夕食後に散歩しながら外で葉巻を吸っていましたが、今は夕方日が傾いて気温が下がった頃に、二階のベランダで猫を相手に丘の向こうに沈んでいく夕日と夕焼けを見ながら葉巻を楽しんでいます。
猫は葉巻には全く無関心で時折迷い込む虫の方に興味があるようです。
IPCPR総会
IPCPRとはInternational Premium Cigar & Pipe Retailers Associationの略です。
日本語に直訳すると国際高級葉巻とパイプ販売業者協会となります。
今年で72回目を迎えるこの総会の会場に選ばれたのは、あのハリケーンカトリーナで被害を被ったニューオリエンズ市でした。
北米で販売されている南米産葉巻を日本の皆様に提供しているシガコネからは、アメリカ現地担当の私と、日本からの担当者の2人組みで参加しました。
現地入りしてまず驚かされたのが、その会場の広さです。
実に200以上の葉巻関係の会社が出展しており、ざっと眺めるだけで初日8時間かかりました。
会場内では当然喫煙OKで、ほとんどの人が葉巻をふかしながら会場を闊歩していました。
葉巻メーカーのブースではサンプルの葉巻を手渡しており、一日中葉巻を吸う事も可能でした。
私達2人も初日は4本ぐらの葉巻を消費しました。
ニューオリエンズ市の法律はラスベガスに似ており、道で葉巻を吸う事も、酒を片手に飲みながら歩く事も合法です。
総会中は参加者みんな一日が終わって、夕方からはかの有名なバーボンストリートに葉巻を片手に繰り出し、ビールやカクテルを飲みながらぶらぶら観光客と混じりながらニューオリエンズの夜を楽しみました。
アロハタワー
数年前、私はハワイに住んでいました。
ハワイという所は観光で訪れるには良いところですが、実際に生活するとなると、高い物価と渋滞、それに狭い住居のせいであまり薦められたところではありません。
私が住んでいたコンドミニアムは、アロハタワーから歩いて5分もかからないところにありました。
そこでの日課といえば、夕方日が落ちる頃アロハタワーの岸壁で葉巻に火をつけることでした。
アロハタワーの岸壁からは、毎週ハワイ諸島観光の大型クルーズ船が出向します。
私がハワイに住んでいた頃は、大型クルーズ船は確か三艘あり、それぞれ名前がつけられていました。
二艘はハワイに関係する名前で、残りの一艘はPride of Americaという名前でした。
船が桟橋を離れる前に、バンドと踊り子が桟橋からアロハオエを歌い、それを出航す船の乗客たちがデッキから見下ろしている様子を見ながら葉巻を燻らしたものです。
この様子を毎週見ていたのですが、あることに気が付きました。
このバンドと踊り子は、ハワイに由来のある名前の船が出る時はいつも桟橋でアロハオエを歌いフラダンスを踊るのですが、Pride of Americaが出航する日には桟橋に来ないのです。
その理由は多分、いまだにハワイ人の中に残る、アメリカによるハワイ朝廷への侵略に対する不満から来るものだと思います。
Pride of America という名の船に対して、アロハオエで出航を見送ることはハワイ人のプライドが許せないのでしょう。
実際、今のハワイでもっとも貧しいのはハワイ人で、土地のほとんどを本土から来た白人(最近では日本人を含むアジア人)に抑えられているのが現実です。
そんなことを考えながら桟橋を離れていく船を見つめながら葉巻を燻らしていました。
さくらんぼ
私の住んでいるワシントン州の東部では今サクランボの収穫期です。
今年は急激な春先の冷え込みもなく、サクランボの育ち具合はとても良く、毎日のようにサクランボを食べています。
このあたりで収穫されるサクランボには二種類あり、ひとつは日本でも最近見られる赤色のアメリカンチェリーと、もうひとつは日本のサクランボに似た黄色とピンクが混ざったような色のサクランボです。
アメリカのサクランボの味は確かに日本産の足元にも及びませんが値段の安さは格別です。
サクランボ一キロ買っても500円もしません。
日本ではひとつひとつ丁寧に食べていたサクランボも気軽にバクバク食べれます。
ワシントン州ではりんごの栽培も盛んで“FUJI”のブランドで日本発のふじりんごも作っています。
ここの富士りんごははっきり言って日本の富士りんごとは比較にならないほど貧相です。
まず玉が小さいその上皮が厚い、はっきり言って美味しくない。
ワシントンのサクランボは勧められますがりんごはお勧めできません。