大切な時間

サーキットと葉巻

先日久しぶりにサーキットを走ってきました。

サーキットでの走行会などに参加された経験のある方はわかると思うのですが、サーキットで車を早く走らせるのは音楽を弾いている感覚と同じです。
コーナー手前でのブレーキ、ハンドルを切り込む角度、アクセルを開けていく度合い、次のコーナーに入る場所、これらすべてが綺麗にそろって初めていいタイムが出るのです。
私は基本的に歌も楽器もダンスも全くだめなタイプなので、当然リズムカルに車を走らせることも上手なわけがなく、しっかりスピンを一回してしまいました。

サーキットを走っていてもうひとつ感じたのは、走行中の精神状態がとても禅と似ていることです。
アスファルトの上で車と自分がひとつになり思った所に思ったスピードで入っていけるためには、気持ちが落ち着いて外部の雑念が消え去り路面の状態と自分の車の状態だけが意識されている感覚です。
葉巻を楽しんでいるときの全く逆の世界です。

私は葉巻を楽しむとき意識的にひとつのことに集中せず過去、現在、未来と思いを廻らせます。
葉巻はある意味で時間を楽しむための道具でもあります。
サーキット走行は時間を削ることを目的とした今を楽しむためのものです。

現時点では私は時間を楽しむことはとても上手ですが時間を削る楽しみの方はまだまだ修行が足りません。

youtube

最近youtubeを見て過ごす時間が増えました。

私は昭和生まれでキャンディーズが解散した年にアメリカに渡ったため70年代から80年代の日本の歌しか知りません。

ネットから30年以上前にはやった歌を拾い上げて聞いてみると、忘れていた昔の思い出がどこからともなく蘇ってきます。
多くの歌の題名も忘れている場合があり音楽が流れ出してからこんな歌もあったんだと感動することもあります。
俗に言う歌謡曲というのは振り返って聞いてみると実にその時代を反映していたことに驚きます。

葉巻を長年楽しんでいると葉巻によってはいつも同じ思い出を映し出すものがあります。
私にとってはLa Gloria Cubanaとハワイに住んでいたとき行きつけだったバーの思いでは切っても切れない関係にあります。
そのバーに集まる友人、そこでの会話それら全てがLa Gloria Cubanaに火をつけると蘇ってきます。

初めての葉巻

皆さんにとっての初めての葉巻覚えていますか?

私にとっての初めての葉巻は大学院生のころフィリピンで購入した自分の名前入り葉巻でした。

値段は覚えていませんが、土産物屋で前日に注文すると翌日には自分の名前、もしくはイニシャルを入れた葉巻25本がこれまた名前入りの木箱に入ってくるというものでした。

フィリピンには結構いける葉巻もありますが、この名前入り葉巻はタバコの品質から言えばかなり問題がある品物だったと思います。
今でもおぼえていますがこの土産もの葉巻を吸った次の数日は口の中に苦味が残り、葉巻とは実に苦しいものだと思いました。
この25本を消費するのに2年以上かかりました。
その結果、葉巻は数年間吸いませんでした。

数年後、キューバを学会で訪れる機会があり、初めてキューバ産葉巻を味わいました。

キューバ産とフィリピン産葉巻の違いに驚くとともに、葉巻のおいしさを始めて感じたのもこのときです。

アメリカ本土ではキューバ産葉巻は販売禁止されていますのでキューバ産は手に入らず、始めは仕方なしに恐る恐る南米産の葉巻を購入しました。

そこで私にとって葉巻、二度目の感動が訪れます。
南米産はとてもいい。物によってはキューバ産よりおいしい。これは正直な感想です。そして今日もヒュミドールを眺めながら今夜はどの葉巻にしようかなと悩む今の自分ができました。正直、葉巻に対する幅が広まった印象です。

今日も先ほどから今夜の一本はOlivaCAOかで悩んでいます。一日に2本消費すると妻に怒られますので。

グアムで吸う葉巻

私は80年代半ばから90年代半ばまでグアム大学海洋生物研究所にいた関係で、今でもグアムには多くの友人がいます。昨年のクリスマスはグアムで昔の友人や研究者仲間を訪ねてながら過ごしました。

現在住んでいるワシントン州に比べてグアムは比較にならないぐらい湿度が高いためグアムではヒュミドールは要らないぐらいです。湿度の高いグアムでは葉巻の味わい方も違ってきます。

私はワシントンやオレゴンにいるときはフルボディーの葉巻を好むのですが、暑いグアムではフルボディーの葉巻は少しきついと感じました。
グアムに住む友人のお勧めはアップマン シグネチャー ダブル イーグルでした。

アメリカ本土ではあまり気にしなかった葉巻でしたがグアムの夕方、貿易風に吹かれながらタモン湾で火をつけたアップマンは最高でした。

旅先で味わう葉巻。
旅の思い出を煙の合間に織り込んで持ち帰るのも葉巻愛好家のひそかな楽しみでしょう。