今年の夏はワシントン大学で研究生活を送る時間が多かった為、じっくりとシアトルの町を経験することができました。
シアトルは、ちょうどポートランドとサンフランシスコの中間的な感じの町です。
気候的にはポートランドとほぼ同じですが、朝方霧がかかったりする感じはまるでサンフランシスコです。
町の雰囲気はリベラルで開放的です。
リベラルな町の感覚は、西海岸沿いの大都市に共通するものがあります。
シアトルには日本人に良く知られた名所かなりあります。
シアトルマリナーズのSafeco Field、某映画で有名なPikes Place、スターバックス最初の店などはいつも観光客でにぎわっています。
歴史的に見ても、シアトルと日本は戦前から航路で繋がっていました。
柔道を世界に広めた嘉納治五郎も、横浜港からシアトルに入る経路で柔道をアメリカに伝えたのです。
この町で一つ不思議に思うのは、ロサンジェルスやサンフランシスコにはある日本人町が無いことです。
ただ私が知らないだけで、昔は存在していたのかもしれません。
第二次世界大戦中、米国籍を持つ日系人は殆どすべて財産没収のうえ強制収容所に入れられてしまった為、その歴史が途中で途切れてしまっていることが多いのです。
8月15日は終戦記念日です。
戦後生まれでアメリカ人の妻を持つ私にとって、意味があるような無いような記念日です。
とりあえず平和な世界に生まれたことを感謝してボリバートロあたりの重めの葉巻に火をつけようと思っています。
アメリカに旅行した方は、カリフォルニアロールとかスパイシーツナなどという寿司を食べたことがあると思います。
最近では成田空港内のすし屋など、外国人客の比較的多い店ではメニューに載せている店もあるので、日本でも食べられるかもしれません。
今では“Sushi”という単語はすでに英語になっており、アメリカの都会では普通に見られます。
私が始めてアメリカに留学で来た頃は、”Sushi” はアメリカ人の中ではゲテモノ食いの一つと見られていた時代で、寿司屋どころか日本食レストランを探すのが大変な時代でした。
30年後の今日は、“Sushi” を食べることはアメリカ人の中ではトレンディーなイケテル生活スタイルとされています。
アメリカでは、寿司屋の事を寿司バーといいます。
最近流行りの寿司バーでは軽快なテンポの音楽が流れ、金髪のスタイル抜群の女性客(寿司はカロリーが低いので体系を気にする若い女性に人気がある)がカウンター越しに寿司をオーダーしている時代です。
日本の寿司がこうして海外で認められることはうれしいことですが、”Sushi”と寿司は別な食べ物です。
日本の寿司はネタと米のよさがすべてです。
“Sushi”には残念ながらネタのよさも米のこだわりもありません。
カリフォルニアロール(かに、きゅうり、アボカド,とびっこを使った巻き寿司、一説では70年後期にサンタモニカにあった”HIRO Sushi”の板前が作り出したとされている)は、けしてまずいわけではありませんが、日本の寿司からはかなり離れており、別の料理と考えたほうが美味しく食べれます。
ちなみにアメリカにはキャタピラロールという寿司もあります。
キャタピラとは日本語の芋虫(蝶の幼虫)です。
なぜキャタピラロールというかといえば、巻き寿司の外側に薄く切ったアボカドを巻いているからです。
アボカドの緑が丁度芋虫に見えるわけです。
アメリカで数え切れない程の寿司バーに行きましたが、葉巻の吸える寿司バーはまだ一度も見たことがありません。
もし私がアメリカで寿司バーをひらいたらシガーロールという”Sushi”を出そうと思います。
巻き寿司の外巻きにごぼうを使って茶色に仕上げるのです。
ポートランドには、全米でもっとも美しいとされる日本庭園があります。
実はポートランドで十年近く過ごしているのに一度も行ったことがありません。
日本に一時的に戻る時はいつも京都の寺や日本庭園を見て回る時間をとるのですが、不思議とポートランドの日本庭園にはいちども足を運んだことがありません。
アメリカ人が作った日本庭園というのはどうも外国人の握る寿司と同じで、何か少しずれているような気がしてあまり興味を抱かせないのだと思います。
しかし最近では寿司も“Sushi”となり、メキシコ人の握る寿司も気にせずに食べていますので、アメリカにある日本庭園を訪れてみるのも悪くないかもしれません。
毎年10月にはこのポートランド日本庭園で、なんと琴を聞きながら月見が行われるのです。
月見をする人など現在の日本でも少ないのではないでしょうか。
案外アメリカの日本庭園のほうが日本的だったりするのかもしれません。
琴を聴きながらの月見も良いかもしれませんが、今の私は葉巻を燻らしながらの月見になってしまうと思います。
多分日本庭園内は禁煙でしょうから、川沿いの公園でポートランドのビルの合間に浮ぶ月を見ながらMontecristoあたりに火をつけることになりそうです。





